豆知識
水害に強い家ってどんな家?特徴をわかりやすく解説します
2024.10.17 Thu
- Category
- 豆知識
目次
台風や大雨によって起こる水害。日本では毎年、河川の氾濫や山崩れ、道路冠水などの水害が起きています。氾濫によって周辺地域が水に浸かってしまうと、住宅も浸水したり、ひどいときは水に流されてしまうことも。この記事では、水害に強い家の特徴と、実際に水害に強い家を建てるときに気を付けるべきことを解説します。
水害に強い家の特徴
水害に強い家のポイントは、大きく分けて「立地」と「家の建て方」です。1つずつ解説します。
立地
水害に強い家を建てるなら、まずは立地が重要です。埋め立て地ではないところ、周辺よりも低い土地ではないところ、河川や海のそばではないところに建てると、水害による被害を避けることができるでしょう。土地を選ぶ際は、ハザードマップや過去の地盤データを参考にするのがおすすめです。
家の建て方
水害に強い家を建てるには、盛土にする、高床にする、高い塀で家を囲む、建物自体を防水仕様にするなどのポイントがあります。今はさまざまなハウスメーカーから「耐水害住宅」と呼ばれる水害に強い住宅が登場しているので、気になったらハウスメーカーの担当者に相談してみましょう。中には、水害時に水に浮く家もありますよ!
水害に強い家を建てる!土地探し編
では、実際に水害に強い家を建てるにはどうしたらいいのでしょうか。「土地探し」「建築」「メンテナンス」の3段階に分けて解説します。まずは「土地探し」のポイントから。
海や河川から離れているか
海や河川から近い土地は、集中豪雨や台風が起きた際、高潮や氾濫の影響を受ける恐れがあります。海や河川から近い土地は長年水に接しているので、そもそもの地盤がゆるくなっている可能性も。しかし、海岸や河岸に高い堤防がある場合は、海や河川の近くでも水害は起こりにくいです。過去の被害状況などを参考に、適切な土地を選びましょう。
周辺よりも低い土地ではないか
当たり前ですが、水は高いところから低いところへと流れます。そのため、周辺よりも低い土地は水害の被害が起こりやすいです。周辺との高低差が少しであれば盛土をして住宅を建てることも可能ですが、その場合は、水害が起きたら周辺の住宅が水没して孤立してしまう可能性があります。なるべく周辺と同じくらいか、少し高めの土地を選びましょう。
埋め立て地ではないか
埋め立て地は地盤がゆるい傾向にあるので、水害に強い家を建てるなら埋立地は避けたほうが無難でしょう。国土地理院が発表している「ベクトルタイル「地形分類」」を見ると、その土地の成り立ちがわかります。埋め立て地かどうかはもちろん、想定される自然災害についても記載されているので、土地を探すときはぜひチェックしてみてください。
水害に強い家を建てる!建築編
水害に強い家を建てるときの、建築についてのポイントをまとめました。
かさ上げ(盛土)をする
土で敷地を高くする「かさ上げ(盛土)」。これをすることで土地が周囲よりも一段高くなり、水害リスクが下がります。かさ上げ(盛土)をするには自治体から許可を得る手続きが必要なので、事前にしっかり調べましょう。また、かさ上げ(盛土)によって高さ制限に引っかかることもあるので注意!
高床にする
住宅の基礎部分を高くする「高床」。高床にしても敷地そのものは高くならないので、台風や大雨により庭が浸水する可能性はあるものの、住宅への浸水リスクは下がります。しかし基礎部分をあまりにも高くすると、道路斜線制限や隣地斜線制限などの規制に引っかかることがあるので注意が必要。規制に引っかからなかったとしても、隣家の日当たりに影響を及ぼすことがあるので気を付けましょう。
高い塀で住宅を囲む
防水性のある高い塀で住宅の敷地を囲むと、水害リスクを下げることができます。しかし、敷地内に降った雨が適切に排水できないと、せっかくの塀も効果が発揮されません。盛り土や高床と違って住宅自体の高さは変わらないため、高さ制限に引っかかるなどの懸念がないのはメリットですが、塀の高さによっては住宅の日当たりが悪くなるので注意。
防水性の高い外壁材を使用する
そもそも防水性の高い外壁材で住宅を建てると、水害リスクを下げることができます。防水性の高い外壁で密閉できる仕様にすることで、家屋内への浸水を回避できるのです。高さ制限や日当たりの影響を考えなくていいのでデメリットは少ないですが、定期的なメンテナンスが必要なのでランニングコストがかかります。
水害に強い家を建てる!メンテナンス編
水害に強い家を建てたあとのメンテナンスはどうすればいいのでしょうか。ポイントをまとめました。
屋根や外壁を塗り直す
屋根や外壁にひび割れなどがある場合、大雨が降るとその部分から浸水してしまいます。信頼できる業者に依頼し、定期的にチェックしましょう。また、防水効果のある塗料を塗ることで雨や湿気による腐敗や浸食を防ぐこともできますが、塗料は時間が経つと剥がれてしまうので、定期的に塗り直す必要があります。塗料の種類や施工方法によっても塗り直しの頻度は変わってくるので、ハウスメーカーや工務店に確認しましょう。
側溝や雨どいの清掃をする
適切に排水できる状態をキープするため、側溝や雨どいはこまめに点検・清掃しましょう。側溝や雨どいは、気づけば落ち葉やゴミなどが溜まっていることもあります。ゴミが溜まると排水ができないので、こまめに掃除することが大切です。
この記事のまとめ
水害に強い家を建てて、安心・安全な暮らしを
「水害に強い家を建てたいんです」と相談すれば、ハウスメーカーさんも親身になって相談に乗ってくれるはず。土地を探すときはハザードマップや過去の地盤データを参考にし、家を建てるときは盛土にする、高床にするなどの工夫をしましょう。水害に強い家で、安心・安全な暮らしを楽しんでください!